フリーローンなのに利用目的はフリーじゃないってどういうこと？
「フリーローンは使用目的を問いません。なんにでもお使いいただけます」こんなうたい文句で、多くの人がフリーローンを利用しています。生活費がピンチのとき、友人の結婚式に出席するとき、ちょっとした旅行に行くときなどどんな目的でもOKなのですが、フリーローンの契約事項を良く見ると実はフリーローンであって利用目的がフリーでないケースがあるのです。どんなときにはフリーに使えないのでしょうか？
フリーローンのしくみ
フリーローンというのは返済能力や借金返済の記録から割り出された信用度に基づいて、無担保でお金を貸し出す制度のことです。フリーローンは通常、カードが発行され、そのカードがあればまるで銀行貯金を下ろすかのように、一定額内でお金を引き出すことができます。お金を返済するときもまるで銀行口座に貯金するかのように、随時返済をすることができます。
ですから、いったんお金を引き出してしまえば銀行・消費者金融側は、利用者がどんな用途で利用したか全くわかりません。要はお金を利息をつけて返してもらえば使用用途を問わないのです。ですが厳格に言うと自由だけど使えない用途も存在するのです。どんなときには利用できないのでしょうか。金融機関によっても異なりますが、それは次の5つのケースです。
フリーローンでも使えない用途
- 他の金融機関への返済目的
- 事業資金調達
- ギャンブル
- 投資目的
- 恐喝などの犯罪資金
他の金融機関への返済目的
なぜ他社の借金を返済するためにフリーローンを利用するのは駄目なのでしょうか？理由ははいたって簡単です。他社で借りないとお金を返せないほど借金まみれの人が、利子をつけて返済することなどできないからです。
もし借金返済が目的ならフリーローンでもお金を借りないでくださいと呼びかけているわけです。返済不能になり、信用情報に遅延が付き、貸し出し不可能になるまでにはタイムラグがありますが、結局はどこかの金融機関の借金を踏み倒されることになるのです。事前に自らの金融機関を守るためにも、借金返済が目的ならフリーローンの枠があったとしてもお金を借りることはできないと定めているのも当然でしょう。
事業資金調達
事業資金での借入をよしとしているところもありますが、禁じているところが多いようです。理由2つあり、1つはフリーローンは一個人の信用に基づいて貸し出しているものであり、事業に対して貸し出すものではないためです。事業には事業者ローンというものがあります。借り入れる人が社長であっても。フリーローンはあくまでも個人の必要を満たすために貸し出すものなので利用目的に制限がかかります。
2つ目は経営者であれば金利の低い事業者ローンを利用できることを知っているのに、個人としてのフリーローンさえも事業資金として捻出しなくていけない状態は、すでにその会社も、個人も返済能力において厳しい状態と思われるからです。その会社はすぐにでも倒産する状態でしょうし、その経営者も収入源を失い、返済能力がなくなることを意味します。よってフリーローンであっても事業資金は不可となっているところがあるわけです。
ギャンブル
ギャンブル目的が駄目なのはお金を借りてまでギャンブルで遊ぼうという人に返済能力が認められないためです。金融機関もギャンブルでその人が一儲けして利子つけて返してくれるとは思っていません。
投資目的
投資はかなりの技術を要します。それは投資をしてお金を返してもらうことで成り立っている金融機関が一番分かっていることでしょう。よってフリーローンで投資目的が駄目な理由は素人が投資目的でお金を借りて儲けて返せることはないと考えているからです。投資は本来自分のたくわえの中からするものでしょう。
恐喝などの犯罪資金
これはオレオレ詐欺防止と一緒で、犯罪に加担するのを避けるためです。恐喝者はその場でお金を手に入れたいので、恐喝相手に「フリーローンの枠内でお金を引き出せ」と圧力をかけるでしょう。事前にこの目的でお金を貸し出すことを禁じることによって犯罪への加担を避けるのが狙いです。
本来は利用目的自由なフリーローン
仮に上記のような目的でお金を引き出しても金融機関側が分かるわけではありません。借金が返済できなくなったときに、なんでお使いになったのですかと聞かれても「生活費で使いました」といってしまえばそれ以上追求されないのも実情です。もちろん上記のような目的でお金を借りる事は契約違反なのでしたくはありませんが、やはりフリーローンはフリーに使えると思っておきましょう。