おまとめローン注意点
現在いくつかの金融業者では複数の借入金を一本化する「おまとめローン」という金融サービスを取り扱っていますが、その利用者の多くは多重債務者と呼ばれる人たちです。
本来は利息制限方による規制で、年収の3分の1以上の借入れは出来なくなっているはずなのですが、実際は利息制限法で許された以上の金額を借り入れていて、そのために返済トラブルに陥っている人が年々増加しているのです。そうした多重債務者を救済するという名目で、各金融会社では複数の借入れを一本化する「おまとめローン」を行っています。
また、この「おまとめローン」には金利の異なる複数の借入れを一つにまとめて、その結果として以前より相対的に低い金利に設定し直すという効果もあります。
しかし一方では多重債務を抱えた人は、しっかりした返済計画を立てずに安易に借入れを繰り返してしまったことが、自分の返済計画を越える債務を抱えてしまったということも言えますから、「おまとめローン」で債務を一本化した後も今後の返済について改めて見直す必要があります。
しかし、「おまとめローン」で計画的な返済計画が立てやすくなったとは言え、多重債務者というのはそれまでの安易な借入れと、返済のために経済的な基盤が損なわれていることも事実です。
あくまで「おまとめローン」と言うのは、まだ借り入れた借金を返済できるだけの余力が残っていなければ、結局新たな返済トラブルを引き起こすだけに終わってしまいかねないのです。
「おまとめローン」には借入金を一本化するメリットだけでなく、一本化したことによるデメリットもありますから、注意しなければいけません。この「おまとめローン」のデメリットとは、複数の借入れを一本化したことによる返済期間の長期化というものですが、借入れした債務を完済したときの総額が一本化する以前よりも高額になってしまうため、「おまとめローン」の意味を疑う人もいるのです。
このように多重債務を抱えて返済トラブルを起こしている人は、「おまとめローン」などの新たなリスクを選ぶことよりも、「任意整理」を行って債務を縮小することも考えてみることをお進めしたいと思います。そうして自分がなぜ多重債務を抱えることになってしまったのか、この「任意整理」を行うことでもう一度見直してみることも必要なのではないでしょうか。
おまとめローンの裏に隠された真実 失敗しないための注意点
「おまとめローンというのは、たくさんある借金を1つにまとめること」と思っている人が多いでしょう。さらに「金利は低くなるので、返済額が減少する」とも思っています。これらのことは本当なのですが、じつはおまとめローンの裏には隠れた真実があるのです。おまとめローンの広告には、お金を借りている人がいかにも得するかのような言葉があふれています。
しかし、お金を貸し出す側の銀行も、ボランティアでお金を貸しているのではありません。当然自分たち銀行のため。利益を増やすカラクリがあるからこそ、低い金利でのおまとめローンを展開しているのです。
おまとめローン―お金を借りる側と貸す側の見方の違い
おまとめローンというのは、お金を借りている側からすると、「たくさんあった債務先が1つにまとまって安心。その上金利も安くなるので負担が少なくなる」といった感じでしょう。
しかし、お金を貸している側からすると、このようなものなのです。「他社に回っていた金利による利益を、全部わが銀行のものにしよう。その上、支払い期間を伸ばさせて利息をたくさん払わせよう」。これが銀行側の本音です。おまとめローンというのはいままでいろいろなところからお金を借りていて、すべての債務先に一生懸命返済していた人のために用意されています。
つまりおまとめローンとは、いろいろな金融会社が利息として得ていた利益を、全部自分の銀行に集結させることなのです。ただしその人がこれからもちゃんと働いて、ちゃんと返済してくれないといけません。破産宣告などされたら、他社の損失を自社で全部被ることを意味します。なのでかなり審査は厳しく行ないますし、まさかの事態に備えてリスク回避手段も準備します。
おまとめローン―ほんとにお得になるのか?
おまとめローンを利用できると、確かに精神的に楽になります。金利を下げてもらえるでしょうし、毎月の返済額も減るかもしれません。ですがこれは銀行の思う壺なのです。おまとめローンで得をするのは銀行です。次の返済例を見てください。
いろんな会社に合計100万円の借金があり、15%の金利で支払う予定だったとします。毎月の返済額と、合計返済額はいくらになりますか?
返済期間 | 3年 |
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毎月の返済額 | 3万5000円 |
総返済総額 | 123万円 |
(金額はいずれも目安)
ではおまとめローンで、仮にある銀行が100万を自社で貸し出してくれて、金利を10%に下げてくれたとします。それに合わせて毎月の返済額も下げてくれるようです。どうなりますか?
返済期間 | 6年 |
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毎月の返済額 | 1万8000円 |
総返済総額 | 135万円 |
(金額はいずれも目安)
この2つの比べて何が分かりますか?結局おまとめローンにすると、おまとめローンにしなかったときと比べて8万円ほど多く支払っているのが分かるでしょう。金利は15→10%に落ちて、月々の返済額もかなり楽にしてもらったのですが、銀行は相当な利益を得たのです。これがおまとめローンの実態です。
その他の注意点を押さえておく
総返済額が増えてしまうという問題以外にも、おまとめローンには注意点があります。におまとめローンを利用した人の問題で避けては通れないのが、借金を一本化しても、借金が返せなくなるという事態です。なぜ毎月の金利も返済額も減ったのに借金が返済できなくなるのでしょうか?よくあるのが次のパターンです
まとめたことにより借金問題が解決した気になる
↓
乱費を始める
↓
他社でまた借金する
↓
それがばれて全額返済を求められる
↓
当然払えず、担保が取られるか、保証人に請求が行く
人間悲しいことに、おまとめローンを利用して毎月の返済がグッと落ちると、借金問題が解決した気持ちになり、ついつい乱費してしまいます。乱費癖のある人は、小さいころからその習慣が染み付いているので、計画的にお給料を配分するのが苦手です。銀行で一本化すると、また他社からこっそり借りることができます。
金融業界はつながっているので恐らく銀行は、他社でまたお金を借りていることを知るでしょう。そうなると全額返済となり、結局は担保を抑えられたり、保証人に請求が行ったりして、自分で正当に借金が返せなくなるのです。そうならないためにもおまとめローンを利用する前から、気を緩めない心がけが必要です。
おまとめローンは冷静に利用
今回はおまとめローンの裏の部分ばかりを取り上げました。審査通過までの道のりは大変ですし、審査通過後も借金全額返済まではまた長い道のりです。結局はたくさんのお金を払うことになるという一面さえあります。しかし実際多くの人は、このおまとめローンを利用して、人生のピンチを乗り越えてきました。あなたも油断されなければ、おまとめローンは強い味方となるでしょう。
おまとめローンでまとめられる借金とまとめられない借金
おまとめローンは多くの方が利用している多重債務の解決法です。ですが、おまとめローンには、まとめられる借金と、まとめられない借金があるのをご存知でしょうか?これを知らないと、おまとめローンを申し込んでも問題がほとんど変わらないということもありえます。さらに、まとめられないように見えて、年収と状況によってはウルトラCのような方法でまとめる裏技もあります。
おまとめローンでまとめられるものとまとめられないもの
まとめられる借金と、まとめられない借金をつかむ上で3つの観点から考える必要があるでしょう。
- 処理手続きの観点
- 総量規制の観点
- 借り入れ能力の観点
処理手続きの観点から、まとめられるものとまとめられないもの
おまとめローンを利用する際に、処理手続きをするうえで必要な提出書類というものがあります。その1つが各金融会社からの借り入れに関する資料です。現時点でどこの金融会社にどれだけの借金があるのかがはっきり分かる資料なのですが、これを提出しないとおまとめローンの審査をしてくれません。
ではこのことは、まとめられる借金とまとめられない借金にどう影響しますか?つまり、借り入れと返済状況をしっかり資料の形で提出できるものなら、まとめることができますが、借り入れと返済状況を資料の形で提出できないなら、まとめられないということです。基本、他の銀行や消費者金融で借りている借金は、書類がしっかり準備できるので、すべてまとめることができます。
ただ個人間の借金は借用書があったとしても、その返済記録をつけていても、まとめることはできません。親族と結託して偽造しようと思えばできてしまうからでしょう。もちろん闇金からの借金もまとめることなどできません。借り入れ状況を証明する資料はありませんし、そもそも違法な借金だからです。
借り入れ能力の観点から、まとめられるものとまとめられないもの
銀行のおまとめローンというのは、借り入れ枠の大きなカードローンを作って、その借り入れ枠の中で、いったんすべての借金を返済してしまうというものです。おまとめローンということで申し込みを受け付けていても、結局中身は普通のカードローンですので、借り入れ限度枠が、その人の年収や過去の借り入れ状況に基づいて決められます。
いろいろな金融会社から150万の借金があるという人が、おまとめローンを申し込んだところ、「希望額150万すべてをまとめることはできませんが、100万円の融資枠ならご用意できます」という返答が返ってくることがあります。つまり100万円分の他社への借金はまとめることができますが、残りの50万円はまだ他社に借金が残る、つまりまとめられないということになります。
このように、処理手続き、総量規制、借り入れ能力という3つの観点から、まとめられる借金もあれば、まとめられない借金も存在するということを覚えておきましょう。
住宅ローンや奨学金はまとめられる?
中には住宅ローンや奨学金を1つにまとめたいという人もいるようです。もちろん仮に住宅ローンや奨学金の残金、その残金すべてを超える融資枠を用意してくれる銀行が出現すれば、理論上、すべての借金を1つにまとめることは可能です。ですが賢明ではないでしょう。なぜなら金利が高くなるからです。住宅ローンや奨学金の金利は1〜4%程度、それをわざわざ10%前後の金利になるおまとめローンに借り替えるメリットはどこにもありません。
住宅ローンに他の借金を組み込むことは可能?
多重債務を抱えている状態で、もしも家を建てる計画があるなら、今ある借金すべてを住宅ローンに組み込んでしまうという方法があります。銀行側は借り入れ額が多ければ多いほど利益が上がります。多重債務を抱えていても、住宅ローンに必要な頭金は親が払ってくれるというケースもあるでしょう。いろいろなところから債務を抱えて、合計200万円の借金があるという状況を例にとります。
住宅ローンの借り入れ見積もりは、本来3000万円でした。住宅ローンの申し込み時、受付担当者に、誠実にかつ正直に200万円の他社借金があることを申し出、「3200万円の住宅ローンとして、他社の借金を組み込んでもらえないか」頼んでみましょう。銀行側は頭金をしっかり用意できて、年収もそれなりにある人には融資に積極的です。3000万円の融資額よりも3200万円の融資枠にしたほうが、担当者の成績も上がるというものです。
このように住宅ローンに組み込んでもらうという方法で、おまとめに成功した実例は存在します。もちろん住宅ローンの受付担当者と審査を行なう人は別なので、「やはり、審査落ちとなりました」という例も多いでしょう。しかし言ってみるだけの価値があります。今の借金すべてを格安金利の住宅ローンに織り込んでもらえるからです。
利用価値の高いおまとめローン
日本中には多重債務を抱えていた人がおまとめローンで借金を0にすることができたという実例がたくさんあります。多重債務で苦しんでいるなら、行動の一歩として、まずはおまとめローン窓口に自分の足を運ぶといいでしょう。